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【第1回】木工展開催に向けたインタビュー/山本眞暢

ついに今月末となった第24回 職人と丁稚の木工展。

全3回にわたって、職人や研修生(丁稚)へ木工展に向けた想いをご紹介します。


第1回は、秋山木工の工場長を務める山本にインタビューを行いました。


工場長 / 山本眞暢



ー 今日はよろしくお願いします。

    さっそくですが、今年はどのような作品を作られているのですか?


山本眞暢(以下、山本):

今回の木工展では、ログハウスを1点出品します。

このログハウス、かなり大きな作品で、丸太ではなく全部八角形の柱を組み合わせて作ってみました。



ー 八角形の丸太でできたログハウスですか?珍しい!しかも、すごくインパクトのある

    作品ですね。なぜログハウスを作ることにされたんですか?


山本:

きっかけは、今年の1月頃にテレビでログハウスを作る番組をやっているのを偶然見たことです。

「お、なんか出来そうだな」と思ったんですよね。

ただ、その当時は出来そうだなと思っただけで、作ろうとは思わなかったのですが、今回の木工展で出品する作品をどうしようかなと考えていた際に、どうせ作るなら大きな作品がいいなと思い、ログハウスを選びました。


自分で作っといてなんなのですが、作っていくと思ったより大きいなと感じましたね(笑)

みんなで密集して入れば結構入れて、大人だったら多分2人くらいは入れる大きさになりました。

屋根まで入れると高さが2mくらいで、幅も2mくらい、奥行は3m弱くらいあると思います。



ー 他の皆さんの作品が全然目立たないくらい目立ちそうですね!

    普段から家具作りにあたっての情報収集を意識的にされているんですか?


山本:

そういうのは普段から考えていますね。

旅行など、どこかへ行ったときや、テレビの影響も大きいです。特に、テレビでいうと旅行番組をよく見ています。

なかでも、路線バスに乗って秘境へ行く旅番組がお気に入りです。バスなので、ものすごい山奥に行くんですよね。こんな場所もあるのか、と新しいことが知れるので結構好きでよく見ています。


たまにわからないものもありますが、大体家具を見るとこんな風に作ればいいなというのがわかるので、見るだけでも勉強になります。



ー 作り方が大体わかってしまうんですね。それはすごい…。

    他に、今回の木工展で作ろうか迷われたものもありますか?


実は、初めは車を作ろうかなって思っていました。子供がペダルで漕ぐ小さい車、わかりますか?あれを作ろうと思っていたのですが、細工を考えている際に煮詰まってしまいました。

そこで、まだ構造がわかりやすいログハウスを作ることにしたんです。



ー 車は難しそう…。でもログハウスだって作るのはかなり難しそうですよね。

    ぜひ、こだわった点や苦労された点を教えてください。


山本:

こだわった点は2つあります。

1つ目は、ただの丸太だと面白くないので、全ての柱を八角形にしてるんですが、これは丸太を削っているのではなく、もともとただの板でした。これを斜めに切って、八角形に組み合わせて丸太状にしています。一個でも寸法が違ったら組み合わさらないので、慎重に行いました。


ちなみに、この丸太を六角形にして組み合わせると、面が大きいため丸太の感じが出なくなるのと、端が三角形になって尖ってしまい危ないんです。そこで、なるべく尖らないように、六角形はやめて八角形にしました。


2つ目は、ログハウス自体の形をだんだんすぼんでいる形にしたことです。

実際に見ていただくとわかるのですが、壁がなだらかにカーブしているのに気付いていただけると思います。あえて、丸太の長さを変えてだんだんすぼまっていくようにデザインしました。

理由としては、子供が遊ぶときに、見た目が可愛いと思ってもらいたいというのもありますが、すぼまっているデザインのログハウスを見たことがないので、新しい挑戦として作ってみたかったからです。その分、居住性はないんですが…(笑)


それから、一番難しかった点でいうと、組み上げる際の加工ですね。

うまく説明はできないのですが、基本的にログハウスと同じ作り方をすればできると思っていた物の、ここは結構どうしようか悩みながら作りました。




ー かなりこだわりのポイントが詰まった作品ですね!

    ちなみに、これまでの木工展ではどんな作品を作られてきたんですか?


山本:

神社にある太鼓橋などですね。

実は、これまでの木工展でも家具を作った記憶がないんです。

というのも、普段の家具づくりでは仕事なのでもちろん失敗はできませんが、木工展への作品づくりにおいては、ある意味失敗の経験ができるんですよね。

そこで、木工展の作品づくりを通して新しい技術を試し、得た知見や経験を今度は家具づくりに活かせるので、新しい挑戦の機会だと考えています。

そのために、家具ではないものを作ることが多いです。失敗をしてもいいから、やってみたいことに挑戦しています。



ー ありがとうございます!実際に木工展でログハウスを見るのが楽しみになりました。

    これからも新しい挑戦、楽しみにしています!

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